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2005年11月15日 (火)

超能力!!!

父が最期の入院をした時、私は仕事を辞めて最期は側に居る決意をした。

病室に行った私は愕然とする!身体には沢山のチューブが仕掛けられ、そして口には人工呼吸器が通されていた。意識は虚ろに見えたが、父は意識が有った。

「ただいま。私だよ。」父の手を握り締めた。

その日から私は父の居る個室に住み着く事になった。

私は夜はなるべく父の手を握ったまま過ごす事が多かった。不覚にも眠ってしまう日も有ったけど。人工呼吸器がヘンな音を立てた音で私は目を覚ました。父は自分で人工呼吸器を口から引っ張り出し、そして私に向かってこう言った。「もうダメだ・・・」私はなるべく明るく過ごしていた。昼間は父の寝る姿勢を変えてあげるのに、どんぐりの歌を歌いながら「お父さん、コロコロどんぐり子♪お池にはまって、さあ大変!!!」とバカで明るい娘を演じていたけれど。

私は溢れる涙が止まらなかった。「でも、最期までがんばろう」それしか言えなかった。

口からの人工呼吸器は慣れても辛い様である。回診の時に父はジェスチャーで先生に喉の切開をし、そしてそこから通してもらえるように、依頼していた。こうして父の声は失われる事と成った。

父が起きている間は、なるべく冗談ばかりを言うように努力をした。父もたまには、ひょっとこの顔をして私を笑わせようとしてくれたけれど、私は一生懸命楽しそうに笑い、そして心が痛かった。

夜は起きているのが楽勝な私は、父が何か言おうとした時には、何か予想をして私が言い当てる様な状況が続いた。

ある日の夜、父は目を見開いて、私に訴えかける。寝るように言っても、父は興奮して寝ない・・・・私が予想した事を言っても、首を振り、イライラしている様子が見受けられる。そんな事を繰り返しているうちに、自分にひらめきが生じた!

「さっき眠るための注射を打ったのに、何で眠くならないの?って言いたいんでしょ??」

父は頷いて、そして安心したのか直ぐに眠った。この日から、何故か父の言いたい事が全て解かるような錯覚に襲われた。

あの日の父は、入院の時に持ってきて、壁に掛けていた帽子を見つめていた。私は帽子を父に被せて、そしてその日も楽しくて明るい娘を演じていた。そして夜になる。

寝ていた父が、私に向かって目を見開いて訴えていた!口の動きで

「大変な事をしてしまった!!!!!」そんな口の動きと表情であった。私は「今日はゆっくり寝ようよ」と言って、そして父は眠っていった・・・・

翌日から父は意識不明となり、私はコンタクトを取る事が出来なくなった。翌日こうなる事を父は知っていたのだろうか?父の側で最期に過ごしたのはほんの一ヶ月程度である。私はガキだった頃は厳しい父が嫌いで、あまりイイ人間関係が作れなかったけれど、最期の1ヶ月は純粋に父が大切で、そして娘である事を楽しんだ。大切な思い出である。

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